長崎大学医学部・歯学部附属病院病棟・診療棟

長崎大学診療棟の正面
●所在地
長崎市坂本1-7ー1
●竣工時期
2008年2月
●規模
延床面積/43,813m²
地下1階/地上14階
高さ/67.7m
●PC仕上げ・仕様
磁器質モザイクタイル
せっき質タイル
●設計
基本設計:
長崎大学施設部、株式会社 山下設計
実施設計:
建築/株式会社 山下設計
設備/桜井システム

敷地は長崎市中心部の丘陵地中腹に位置し、北側、北西側には、浦上天主堂鐘楼ドーム、長崎原爆資料館及び平和祈念館、平和祈念像、陸上競技場、市営総合プール、ビックNスタジアムなどの施設が点在する。また、南側は、金比羅山西側斜面の坂の町を眺め、遠く長崎港の眺望を望むことができる。

この建物は『最高水準の医療を提供するとともに、人間性豊かな優れた医療人を育成し、新しい医療の創造と発展に貢献する。』という病院の理念に基づき計画されたもので、既存の外来棟、中央診療棟と今回の病棟・診療棟を結ぶコリドールも併せて整備された。

下層階には放射線部門、ICU、HCU、血液浄化療法などの診療部門を配置し、これらを既存の外来棟、中央診療棟と渡り廊下で接続し、効率的な動線計画とすることで、高度先進医療への対応を図っている。

上層階の病棟は、南側に分散トイレを持った4床室を中心に配置し、スタッフステーションに近接した北側には、重症加算個室と4床室の構成、西・東側には、差額個室を中心とした構成としている。日当たりの良い南面にデイ・食堂を配置し、廊下端部にデイコーナーを分散配置するなど、より多様で豊かな療養環境を創出した。また、光と風を取り入れる光庭を設け、閉塞的になりがちな病棟廊下に開放感を与え、患者・家族・スタッフの快適性に配慮している。

外観デザインは、敷地が緑豊かな住宅地であるため、周辺の環境と良好に調和し、新しく整備・発展していく大学病院の核としてのシンボル性と、親しみやすく開かれたイメージを喚起するデザインを心掛けた。

上層階の外壁は、タイルとアルミサッシを打ち込んだPC版とすることで、耐久性の向上やコストバランスを図るとともに、同じ形状の連続によって印象的なファサードを形成している。南北の病室部分のPC版には、上下を開口部で挟まれた小庇を設け、彫りの深い特徴的なデザインとするとともに、夏の陽射しを抑制しながら、冬にはより多くの光を取り込むための装置となっている。

株式会社 山下設計
佐藤 利也

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