有楽町イトシア

- ●所在地
- 東京都千代田区有楽町2-7-1
- ●竣工時期
- 2007年10月
- ●規模
- 延床面積/76,466.87m²
地下4階/地上21階/塔屋1階
高さ/107.8m - ●PC仕上げ・仕様
- 200角磁器質タイル(特殊面状)
- ●設計・監理
- 株式会社 三菱地所設計
有楽町イトシア(有楽町駅前ビルディング)は、有楽町駅前第1地区第一種市街地再開発事業により建設された、複合商業施設である。本計画の敷地はJR有楽町駅の南東側、東京交通会館と有楽町マリオンとの間に位置する、都心でも有数の商業・業務地にあり、設計にあたっては、この場所の新たなシンボルとなる施設とすること、また、周辺のエリアを結びつける豊かな回遊性を生み出すことをテーマとした。
新たな人の動きを生み出すために、同再開発事業により新たに整備される駅前広場と数寄屋橋交差点方面を結ぶ貫通通路を敷地内に設けた。また、この貫通通路を挟んで高層棟と低層棟に建物ボリュームを分節し、駅前広場側に低層棟を配置することで、周辺の既存建物(東京交通会館、有楽町マリオン)と調和するスカイラインを形成すると同時に、駅前広場に広がりを与えることを意図した。
建物の形態として、高層棟では高層部(オフィスフロア)と中・低層部(商業フロア)を同じ円弧を描いて貫通通路へと引き込まれる形状としながらも、それぞれの用途に応じて異なる素材を用いてファサードを構成した。高層部ではガラスカーテンウォールで都市をシャープに映し出し、中層部は特殊面状タイル打込PC版とすることで時間(日の当たり方)で表情を変える繊細でシルキーな表現とした。又、中層部の特殊面状タイルと低層部のガラススクリーンを高層棟・低層棟に共通したものとすることにより、建物全体に統一感を与え、時間によって移り変わる賑やかな店舗各々の表情を駅前広場や歩行者空間に表出させている。
有楽町は、戦後の混沌とした時代から今日に至るまで、数々のドラマや歌の舞台として、いつも時代を象徴する街であった。有楽町イトシアが、ここを訪れ、憩い集う人々に愛され続けてきた街「有楽町」に新たな命を吹き込むことを期待している。
株式会社 三菱地所設計
西堀 正樹、飯田 隆弘、柴田 康博