ホテル日航ベイサイド大阪

ホテル日航ベイサイド大阪
●所在地
大阪府大阪市此花区島屋
●竣工時期
2002年3月
●規模
延床面積/47,661.69m²
地上/33階 塔屋/1階
高さ/137.75m
●PC仕上げ・仕様
低層部:花崗岩(本磨)・本石調大版タイル
高層部:磁器タイル二丁掛
●設計
株式会社 村井敬合同設計

建築主が自ら設計することは珍しくはない。反対に設計者が建築主になると世間の注目を集める。建築主の立場になると設計もがらりと変わる。下手な設計は己の財布を磨り減らすことになる。調達した資金の返済時期、維持管理費を考えると一過性の評判で建築を終らせるわけには行かない。

この施設の売りは完成した姿だけでなく、その過程にもある。33階建てを19ヶ月半の工期に収め、そのための自動化工法採用、部品数の少ない外装計画が不可欠となる。基準階の外装は幅9.6m、高さ2mの大型PCパネルが設計者の求めたものであり、製作、運搬、取り付けを考えるとメーカーは尻込みする。ジョイント、ファスナーの削減、9.6mスパンの構造体との整合を考えれば一流メーカーなら逃げるわけには行かないはず。そういう設計者のわがままが美しく実現したのがこの超高層ホテルである。

竣工すると誰も苦労多き現場とは思ってくれない。スラッとした姿に崩れは見られず、工事も無理なく進んだものと知らない人は感じる。苦労を人に感じさせないのがプロの技。この外装PC、普通の3倍はあるがそこに目がいく人はまずいない。大阪でホテルを設計すると避難用バルコニーが必要となる。ここでは既製グレーチングを組み合わせて軽やかなものとし、窓はミラーガラスの連窓としてある。ホテルには見えないがオフィスでもなさそうだ。通りすがりの人の見上げる姿には?マークが浮かんでいる。空が暗くなり出すと室内から温かい白熱灯の明かりが漏れ出す。空に浮かぶ住まい?オフィス?いや、城のようにも見える。そう、これは天空の城ラピュタと思えば楽しくなるのでは。

株式会社 村井敬合同設計
代表取締役 村井 敬

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