あきる野市庁舎

- ●所在地
- 東京都あきる野市
- ●竣工時期
- 2001年3月
- ●規模
- 延床面積/14,090.26m²
地下1階/地上7階
高さ/30.8m
- ●PC仕上げ・仕様
- 特注磁器質タイル打込
- ●設計
- 株式会社佐藤総合計画
平成七年、合併新市あきる野市が誕生した。
そして、分散している庁舎機能を一つにまとめることをはじめとし、開かれた庁舎を目指した新庁舎建設が築定された。
敷地は、東京都心から45キロ圏に位置し、周辺には、多摩川に合流する二つの清流や、緑豊かな丘陵地、そして奥多摩の連なる山間部に囲まれた秋留台地に位置する。
設計に際しては、この豊かな自然環境に恵まれた敷地特性を十分生かすことを心がけた。自然という要素をできるだけ建物内部に取り込み、そして有効に活用することで自然との共生を図り、あきる野市を象徴する空間の実現を図った。
建物は開放的なアトリウムを内包し、このアトリウムを中心に各部門の配置構成を行っている。このアトリウムは開かれた庁舎として建物内部を明るく開放的なものとするだけでなく、外部環境と建物とを緩やかに連続させるものとしている。アトリウムによって作り出された「風の道」が、春や秋には澄んだ空気を取り入れた自然換気を可能とし、快適な室内環境を作り出すことができる。そして、夏季のナイトパージ冷却、冬季の排気熱回収・再利用、自然光を利用した昼光連動照明制御なども含めて、エネルギー消費の軽減を実現化し、外部環境への負荷の低減に配慮した環境共生型の庁舎としている。
外観には白色を基調としたやや土色を帯びた磁器質タイルを打ち込んだPC版・PCF版を採用し、四季折々の豊かな自然環境と調和するような佇まいとした。
株式会社 佐藤総合計画
設計・技術系群 設計主任
多々良 邦弘